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2025-03-20アルミダイカストギヤボックスハウジングのバリ取り、スケール除去、研磨及びポリッシング
アルミニウム合金ダイカスト製品は、電子機器、自動車、航空機、造船、電動機、家電などの産業における機械部品の生産・製造で幅広く使用されています。外観が美しく、軽量で高強度かつ耐食性に優れたメリットを持っています。しかし、生産工程中にバリ、フラッシュなどの欠陥が発生することが多く、製品の表面研磨工程は特に重要となります。本ケースでは、アルミニウム合金ダイカスト部品である自動車用ギヤボックスハウジングの自動化された効率的なバリ取り、フラッシュ除去、酸化スケール除去及び研磨処理のプロセス技術と方法を紹介します。この研磨プロセスは、亜鉛、マグネシウム、銅などの軟質金属材料製の他のダイカスト部品の表面研磨・ポリッシングにも適用可能です。

1、バリ取り前のアルミニウム合金ダイカストギヤボックスハウジング

材質:アルミニウム合金
外観:エッジにバリあり、表面に酸化皮膜あり
形状:不規則形状
寸法:300×260×150 MM
研磨前工程:高圧鋳造
研磨後工程:製品梱包
2、研磨・ポリッシングの要件:
バリやフラッシュを除去し、酸化スケールを取り除く。
表面が滑らかで、バリや酸化スケールがない。
3、アルミニウム合金ダイカストギヤボックスハウジングの研磨プロセス詳細:
機械装置:振動研磨仕上げ機 --------- 振動研磨仕上げ機 --------- 振動乾燥機
振幅と速度:
(1) 高速
(2) 高速
(3) 高速
研磨材:円錐形樹脂研磨石 ―― 斜円筒形高アルミナ磁器研磨石 ―― トウモロコシ穂軸砥粒材
研磨材とワークピースの比率:
(1) 4:1
(2) 6:1
(3) 8:1
研磨助剤:研磨液 ―― 洗浄剤 ―― 無
水:
(1) 適量、液面は研磨材を超えない
(2) 適量、液面は研磨材を超えない
(3) 不要
加工時間:60 分 ―― 15 分 ―― 15 分
備考:自動選別取出し、清水で洗浄 ―― 自動選別取出し、清水で洗浄 ―― 振動吸水乾燥
4、アルミニウム合金ダイカストギヤボックスハウジングの研磨及びバリ取りの効果


5.追加注意事項
ギヤボックスハウジングはアルミニウム合金の高圧鋳造により製造されています。製品は高精度で表面が平滑ですが、エッジや穴の縁部にはバリ(毛羽)やフラッシュ(型逃げ)が発生し、研磨と角取りが必要です。そのため、粗研磨と洗浄を組み合わせた研磨工程を採用しています。粗研磨には振動研磨ポリッシングマシンを使用し、切削力の中程度の円錐形樹脂砥粒を用いて粗研磨を行います。研磨石の鋭角部分が溝部、隅角部、内壁にまで侵入し、バリやフラッシュを除去する効果を達成します。
洗浄工程では、振動研磨ポリッシングマシンを使用しています。砥粒材には切削力のない精密研磨材、すなわち斜円筒形の高アルミナ磁器砥粒を採用しています。この砥粒材は比重が大きく、研磨と光沢付与の効果を有しており、表面粗さを更に低減することができます。
製品の水濡れ後の防錆性能を向上するため、研磨後に振動乾燥機を使用し、トウモロコシ穂軸砥粒材を用いて水分を吸収し、内外表面の水分を乾燥させています。
6. 最終まとめ
本ケースでは、自動車部品産業で使用される精密ダイカストアルミ製品の部品であるギヤボックスハウジングの表面自動バリ取り、フラッシュ除去、酸化皮膜除去及び研磨工程を実証しました。